「小さな借金は散弾のようなもので、四方八方から鳴り響き、傷を負わずに逃れるのは難しい。大きな借金は大砲のようなもので、音は大きいが実際の危険は少ない」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”Small debts are like small shot; they are rattling on every side, and can scarcely be escaped without a wound: great debts are like cannon; of loud noise, but little danger.”
日本語訳
「小さな借金は散弾のようなもので、四方八方から鳴り響き、傷を負わずに逃れるのは難しい。大きな借金は大砲のようなもので、音は大きいが実際の危険は少ない」
解説
この名言は、小さな負債が日常生活に与える心理的圧力の大きさを風刺的に表している。サミュエル・ジョンソンは、些細な借金ほど頻繁に返済を催促され、絶え間ない不安と煩わしさに晒されると述べている。小額ゆえに軽んじられがちだが、その数と頻度によって人の心をかき乱すのが「小さな借金」の本質である。
それに対して「大きな借金」は、確かに一度の衝撃は大きいが、返済のスパンが長く、交渉や猶予の余地があるため、精神的にはむしろ安定してしまうことがある。これは、経済の規模が大きくなるほど問題の責任が拡散し、個人の感覚から乖離してしまう現象を表しているともいえる。
この観察は、現代のクレジット社会にも通じる。少額の請求や未払いが積もると信用に傷がつき、生活に影響が出る一方で、巨額の負債を抱える企業や国家は制度や猶予によって守られることもある。ジョンソンのこの皮肉な比喩は、数量の大きさと実害の大きさは常に比例しないという逆説的な真理を突いている。
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