「復讐は激情の行為であり、報復は正義の行為である。侮辱は復讐され、罪は報復される」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”Revenge is an act of passion; vengeance of justice. Injuries are revenged; crimes are avenged.”
日本語訳
「復讐は激情の行為であり、報復は正義の行為である。侮辱は復讐され、罪は報復される」
解説
この言葉は、復讐(revenge)と報復(vengeance)の区別を明確に示している。前者は個人的な怒りや感情に基づく衝動的な行為であり、しばしば破壊的で不合理である。後者は社会的秩序や正義を回復するための行為であり、法や道徳に裏打ちされた正当な応答であるとされる。
18世紀のイギリス社会では、個人的な決闘や復讐はなお存在していたが、同時に法制度の整備が進み、個人の激情ではなく公共の正義に委ねることが重要視されるようになっていた。ジョンソンはこの流れを反映し、復讐を私情、報復を正義と区別することで、社会秩序を重んじる立場を示した。
現代においても、この区別は重要である。例えば、被害者や遺族が私的に復讐することは許されず、犯罪に対する処罰は司法制度によって行われる。これは vengeance の領域であり、社会の正義を維持するための行為である。ジョンソンの言葉は、感情的な復讐と制度的な正義の報復を混同してはならないという普遍的な教訓を与えているのである。
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