「自分の作品を読み返し、特に優れていると思う箇所に出会ったなら、それを削除せよ」

サミュエル・ジョンソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
サミュエル・ジョンソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1709年9月18日~1784年12月13日
  • イギリス出身
  • 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家

英文

”Read over your compositions, and when you meet a passage which you think is particularly fine, strike it out.”

日本語訳

「自分の作品を読み返し、特に優れていると思う箇所に出会ったなら、それを削除せよ」

解説

この言葉は、自己満足に陥った表現は往々にして作品全体を損なうという文学的警句である。作者が「これはうまく書けた」と感じる部分は、しばしば過剰な修辞や誇張が含まれ、かえって不自然さを招くことが多い。ジョンソンは、文章の純粋さや明晰さを保つために、そうした部分を思い切って削るべきだと説いている。

18世紀の文壇では、修辞的技巧を競い合う風潮があった。しかしジョンソンは、真の優れた文章は簡潔さと明晰さに宿ると考えていた。彼自身が「英語辞典」の編纂を通じて言葉の精確さを重んじたことを思えば、この言葉はその実践から生まれたものであるといえる。

現代においても、この考え方は創作全般に適用できる。小説、論文、スピーチなど、あらゆる文章において自己陶酔的な部分を削る勇気が必要である。例えば、研究論文で華美な表現を削り、事実と論理のみに徹したとき、内容の説得力は一層高まる。ジョンソンの助言は、文章だけでなく、芸術や自己表現における謙虚さと自己規律の大切さを教えているのである。

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