「金のためでなく文章を書くのは、よほどの愚か者だけである」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
“No man but a blockhead ever wrote except for money.”
日本語訳
「金のためでなく文章を書くのは、よほどの愚か者だけである」
解説
この言葉は、書くという行為に対する現実的かつ辛辣な姿勢を表している。ジョンソンは、執筆を自己満足や芸術的衝動だけで行うことに否定的であり、職業的報酬を得るという目的を持たない限り、文章を書くのは愚かであると断じている。この発言には、18世紀の文筆家としての彼自身の立場と、文筆業の経済的厳しさに対する皮肉な認識が込められている。
当時のイギリスでは、作家が安定した収入を得る手段は限られており、パトロンや出版からの報酬が生活の基盤となっていた。ジョンソン自身も多くの辞書や論文、評論を金銭目的で執筆しており、芸術と労働の区別を冷静に意識していた人物である。この言葉は、文学的理想と生活の現実の間で揺れる作家たちへの警句でもある。
現代でも、無償の創作活動は称賛される一方で、労働としての創作の価値が過小評価されがちである。ジョンソンのこの名言は、創作が労働である以上、正当な報酬を伴うべきだという主張として再評価されうる。創作の意義を問い直す上でも、極端ながら重要な視点を提示している。
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