「人間だけが泣いて生まれ、不平を言いながら生き、失望して死ぬ」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”Man alone is born crying, lives complaining, and dies disappointed.”
日本語訳
「人間だけが泣いて生まれ、不平を言いながら生き、失望して死ぬ」
解説
この言葉は、人間存在の悲哀と不満の連続性を端的に表現している。誕生の瞬間から泣き声を上げることに象徴されるように、人間の生は苦痛とともに始まる。その後の人生も、環境や運命への不平を重ねながら過ぎ、最期には多くの場合、期待通りにならなかったという失望を抱いて死を迎える。ジョンソンは、人間の有限性と不完全さを厳しく描き出している。
18世紀の社会においても、病や貧困、社会的不平等が人々の生を覆っていた。ジョンソン自身も貧困や病苦に悩まされ、人生を楽観的に見ることは難しかった。その経験から、人間は生涯を通じて苦悩や不満を免れない存在だという冷徹な洞察が生まれたと考えられる。
現代においても、この言葉は共感を呼ぶ。物質的に豊かになっても、人は依然として不安や不満を抱き、理想と現実の乖離に悩む。そして死を前にして、「もっとできたはず」「望んだものは得られなかった」という思いを抱くことも多い。ジョンソンの言葉は、人間存在の苦さを冷たく突きつけつつ、人生をどう受け入れるかを考えさせる警句となっているのである。
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