「人間の美しさや地上の徳は、あまりに強い光で照らされては危険である。真理の松明は、我々が見てはならぬもの、そして決して見たくないものをも照らし出すからである」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”It is dangerous for mortal beauty, or terrestrial virtue, to be examined by too strong a light. The torch of Truth shows much that we cannot, and all that we would not, see.”
日本語訳
「人間の美しさや地上の徳は、あまりに強い光で照らされては危険である。真理の松明は、我々が見てはならぬもの、そして決して見たくないものをも照らし出すからである」
解説
この言葉は、美や徳といった人間の価値は、完全な真理の光に晒されれば脆さを露わにするという警句である。人間の美や道徳は理想化されて語られることが多いが、徹底的に分析されれば欠陥や不完全さが見えてしまう。ジョンソンは、真理の追究が必ずしも人間に幸福をもたらすとは限らないことを示唆している。
18世紀は理性と科学の時代であり、人間や自然を徹底的に分析しようとする啓蒙思想が盛んであった。だがジョンソンは、過度の理性や分析が人間の尊厳や魅力を損なうと考えた。つまり、真理を求める理性の光は必要だが、同時に人間の弱さを破壊しかねないという懐疑を持っていたのである。
現代においても、この言葉は重要な示唆を与える。例えば、芸術や人間関係、道徳の価値を科学的・合理的に分解しすぎれば、本来の美しさや意味を失わせてしまうことがある。ジョンソンの言葉は、真理の光が時に残酷であることを認めつつ、人間の美や徳には、完全な分析ではなく適度な曖昧さが必要であると教えているのである。
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