「私は、この世のどんな寓意的な絵画を見せられるよりも、知っている犬の肖像画を見るほうがよい」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”I had rather see the portrait of a dog that I know, than all the allegorical paintings they can show me in the world.”
日本語訳
「私は、この世のどんな寓意的な絵画を見せられるよりも、知っている犬の肖像画を見るほうがよい」
解説
この言葉は、抽象的な寓意よりも、身近で具体的な対象にこそ価値を感じるという実感を表している。寓意画は思想や象徴を視覚化する高度な芸術だが、それはしばしば観念的で現実から離れている。ジョンソンは、自分にとって意味を持つ身近な存在の写実的表現のほうが、心に訴える力を持つと述べている。
18世紀のヨーロッパ美術では、寓意画や歴史画が高い地位を占めていた。一方で、肖像画や風俗画はより低いジャンルと見なされることが多かった。ジョンソンの発言は、当時の美術的ヒエラルキーに対する反逆的な価値観とも解釈できる。彼にとって芸術の価値は格式ではなく、個人的な関わりや現実との結びつきにあったのである。
現代においても、この考え方は共感を呼ぶ。美術館で見る壮大な歴史画よりも、身近な家族やペットの写真が心を動かすことがある。ジョンソンの言葉は、芸術における「個人的な意味」や「具体的な親近感」の重要性を教えており、芸術の価値は必ずしも普遍的な理念ではなく、個々人の体験に根ざすものであることを示している。
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