「私は、この世のどんな寓意的な絵画を見せられるよりも、知っている犬の肖像画を見るほうがよい」

サミュエル・ジョンソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
サミュエル・ジョンソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1709年9月18日~1784年12月13日
  • イギリス出身
  • 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家

英文

”I had rather see the portrait of a dog that I know, than all the allegorical paintings they can show me in the world.”

日本語訳

「私は、この世のどんな寓意的な絵画を見せられるよりも、知っている犬の肖像画を見るほうがよい」

解説

この言葉は、抽象的な寓意よりも、身近で具体的な対象にこそ価値を感じるという実感を表している。寓意画は思想や象徴を視覚化する高度な芸術だが、それはしばしば観念的で現実から離れている。ジョンソンは、自分にとって意味を持つ身近な存在の写実的表現のほうが、心に訴える力を持つと述べている。

18世紀のヨーロッパ美術では、寓意画や歴史画が高い地位を占めていた。一方で、肖像画や風俗画はより低いジャンルと見なされることが多かった。ジョンソンの発言は、当時の美術的ヒエラルキーに対する反逆的な価値観とも解釈できる。彼にとって芸術の価値は格式ではなく、個人的な関わりや現実との結びつきにあったのである。

現代においても、この考え方は共感を呼ぶ。美術館で見る壮大な歴史画よりも、身近な家族やペットの写真が心を動かすことがある。ジョンソンの言葉は、芸術における「個人的な意味」や「具体的な親近感」の重要性を教えており、芸術の価値は必ずしも普遍的な理念ではなく、個々人の体験に根ざすものであることを示している。

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