「古典からの引用は、世界中の文学者たちの合言葉である」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”Classical quotation is the parole of literary men all over the world.”
日本語訳
「古典からの引用は、世界中の文学者たちの合言葉である」
解説
この言葉は、古典文学の共有が知識人の共通言語となることを表している。古代ギリシャやローマの著作からの引用は、単なる学問的装飾ではなく、文学者や学者が互いに自らの教養を示し、共通の土台の上で議論を交わすための手段であった。ジョンソンは、古典引用が文学的権威と知的連帯を象徴するものであると捉えている。
18世紀のヨーロッパでは、古典教育が学問や文化の中心にあり、教養ある人物は皆ギリシャ・ラテン語の素養を備えていた。ジョンソン自身もラテン語に精通し、作品や批評の中で頻繁に古典を引用した。彼にとって、古典を引くことは文学的信用の証明であり、同時に国境を越えた学問共同体の合図でもあった。
現代においては、古典に代わりシェイクスピアや聖書、さらには近代文学や哲学が引用の「合言葉」となることも多い。しかしその本質は変わらない。つまり、共通の文化的参照点を介して知識人同士が通じ合うという点である。ジョンソンの言葉は、引用が単なる言葉の装飾ではなく、文学的連帯と知的共同体を築くための鍵であることを教えているのである。
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