「二度目の結婚をするということは、最初の妻への最大の賛辞である。最初の妻との結婚生活があまりにも幸福だったために、もう一度その幸福を味わいたいと願うからである」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”By taking a second wife he pays the highest compliment to the first, by showing that she made him so happy as a married man, that he wishes to be so a second time.”
日本語訳
「二度目の結婚をするということは、最初の妻への最大の賛辞である。最初の妻との結婚生活があまりにも幸福だったために、もう一度その幸福を味わいたいと願うからである」
解説
この言葉は、一見風変わりに聞こえるが、再婚を最初の配偶者への敬意と幸福の証として捉える逆説的な発想である。通常、再婚は前の結婚とは切り離して語られるが、ジョンソンはそこに「幸福な結婚生活への再志願」という肯定的な動機を見出している。つまり、最初の妻との経験が夫にとって本質的に満ち足りたものであったからこそ、それをもう一度求めるという行為なのである。
この名言は、18世紀イングランド社会における結婚観を背景にしている。ジョンソン自身は未亡人と結婚し、その妻の死後も再婚しなかったが、結婚を「試練」ではなく「幸福の形」として捉える知的階層の態度が見える。また、皮肉と真面目さを交えた彼独特の語り口が、この名言にも表れている。風刺的でありながらも、愛情や感謝を表現する手段としての再婚という新鮮な視点を提供している。
現代においても、この言葉は過去の関係を否定せずに未来へ進む姿勢として応用できる。愛する人との時間が幸福であったならば、その記憶は新しい幸福を願う力となりうる。ジョンソンのこの言葉は、人間の感情や記憶を肯定的に捉える柔軟な知性を象徴するものであり、再婚に対する見方に温かみを与える視座を示している。
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