「すべての旅には利点がある。もし旅行者がより良い国を訪れれば、自国を改善する方法を学ぶだろう。そして運命が彼をより劣った国へと運んでも、自国を楽しむ術を学ぶだろう」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”All travel has its advantages. If the passenger visits better countries, he may learn to improve his own. And if fortune carries him to worse, he may learn to enjoy it.”
日本語訳
「すべての旅には利点がある。もし旅行者がより良い国を訪れれば、自国を改善する方法を学ぶだろう。そして運命が彼をより劣った国へと運んでも、自国を楽しむ術を学ぶだろう」
解説
この言葉は、旅の教育的価値と相対的視点の獲得を説いている。旅行者は他国を経験することで、自国を見直す機会を得る。優れた国からは改革や発展の知恵を学び、劣った国からは自国の良さを再確認する。つまり、旅はどのような状況でも利益をもたらすという逆説的な真理を示している。
18世紀のヨーロッパでは「グランド・ツアー」と呼ばれる教養旅行が盛んであり、上流階級の若者にとって異文化体験は教育の一環とされた。ジョンソンはその風潮を踏まえつつ、旅を通じて相対的な価値観を養うことが重要であると強調した。彼の視点は、国際比較を通じて自国を省みる啓蒙時代の精神をよく表している。
現代においても、この言葉は変わらぬ意義を持つ。異文化体験は自己の視野を広げ、自国の長所と短所を理解する契機となる。海外の発展から学び、また不便や困難を通して自国の豊かさを知ることができる。ジョンソンの言葉は、旅が単なる娯楽にとどまらず、自己認識と社会改善の契機となることを示しているのである。
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