「すべての理論は自由意志に反対し、すべての経験は自由意志を支持している」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”All theory is against freedom of the will; all experience for it.”
日本語訳
「すべての理論は自由意志に反対し、すべての経験は自由意志を支持している」
解説
この言葉は、理論と経験の乖離を鋭く突いたものである。哲学的な理論においては、人間の行動は原因と結果の連鎖に従う必然の産物とされ、自由意志は幻影だと考えられることが多い。すなわち、思考や選択も環境や性格、外部条件に規定されるため、真の自由は存在しないという立場である。
しかし、日常の経験において、人間は自分の意志で決断していると強く感じる。例えば、進路を選ぶ、仕事を決めるといった場面で、「自分が選んだ」という感覚は否定しがたい。この実感が、自由意志を信じる根拠となっている。ジョンソンはその矛盾を簡潔に表現したのである。
現代においても、脳科学や心理学は人間の選択が多くの無意識的要因に左右されることを示しているが、人は依然として自由意志の感覚を持ち続ける。つまり、理論は決定論に傾き、経験は自由を肯定するという構図は今なお続いている。この言葉は、自由意志をめぐる哲学的議論の核心を、簡潔に示した名言といえる。
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