「賢者は野心によって野心を癒す。その目標があまりに高いために、富や地位、運や恩恵では満たされないのだ」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”A wise man is cured of ambition by ambition itself; his aim is so exalted that riches, office, fortune and favour cannot satisfy him.”
日本語訳
「賢者は野心によって野心を癒す。その目標があまりに高いために、富や地位、運や恩恵では満たされないのだ」
解説
この言葉は、真に賢い人物の内面にある高貴な志向を表している。ジョンソンは、浅薄な欲望とは異なる、崇高な野心があることを示している。つまり、賢者の目指すものは地位や財産といった世俗的な報酬ではなく、より高次の精神的充足や理念の実現であるため、通常の「成功」では満足できない。
ここでは、「野心によって野心を癒す」という逆説が鍵である。一般的な野心は富や権力で満たされるが、賢者の抱く本質的な志は、それらを超越したものであるため、かえって俗な成功を空しく感じる。そのため、彼はより深い価値の探求へと進む。これは、精神的成熟が欲望の質を変化させることを意味している。
現代においても、この言葉は成功の定義に対する再考を促す。名声や金銭が目標となる社会の中で、本当の充実は何か、何を目指して生きるべきかを問いかけている。ジョンソンは、真の野心とは、自己の魂に対する高い要求であり、それが俗世の報酬を超えていくことを教えているのである。
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