「人は夕食ほど真剣に考えるものを持つことは稀である」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”A man seldom thinks with more earnestness of anything than he does of his dinner.”
日本語訳
「人は夕食ほど真剣に考えるものを持つことは稀である」
解説
この言葉は、人間の欲望の現実性と具体性を示す皮肉である。高尚な理想や哲学を語ることはあっても、人が最も切実に、そして真剣に思いを巡らせるのは日々の食事であるという指摘である。つまり、生存に直結する欲求が、人間の思考を最も強く支配するという現実を突いている。
18世紀のイギリスでは、食卓は単なる栄養摂取の場ではなく、社交や文化の中心でもあった。ジョンソン自身も大食漢であり、食事に強い関心を持っていたと伝えられている。この言葉は、彼自身の体験を踏まえつつ、人間の崇高な理想と日常的な欲望との落差をユーモラスに表現したものといえる。
現代においても、この観察は普遍的である。人は芸術や科学、社会の未来について思索する一方で、実際には次の食事を最も具体的に考えていることが多い。外食の選択、健康志向の食事、あるいは食文化の流行などは、人間の生活に大きな比重を占める。ジョンソンの言葉は、人間の思考が最終的には生存欲求に根ざしているという現実を、ユーモラスかつ鋭く描き出しているのである。
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