「ジム・クロウを犯罪者として、その正体と、ひとつの人生に対して、さらにこのアメリカ合衆国や世界中で何百万回も繰り返してきた所業を、私たちは直視しなければなりません。彼は私たちを、生まれたときから綱渡りさせるのです」

- 1913年2月4日~2005年10月24日
- アメリカ合衆国出身
- 公民権運動活動家
英文
“Let us look at Jim Crow for the criminal he is and what he has done to one life multiplied millions of times over these United States and the world. He walks us on a tightrope from birth.”
日本語訳
「ジム・クロウを犯罪者として、その正体と、ひとつの人生に対して、さらにこのアメリカ合衆国や世界中で何百万回も繰り返してきた所業を、私たちは直視しなければなりません。彼は私たちを、生まれたときから綱渡りさせるのです」
解説
この言葉は、ローザ・パークスがジム・クロウ法による制度的人種差別を人類に対する犯罪と断じている強烈な告発である。「ジム・クロウを犯罪者として見る」という言い回しには、単なる歴史的制度ではなく、人々の人生を破壊してきた生きた暴力としての捉え方が表れている。
「ひとつの人生に対して何百万回も繰り返された所業」という表現は、個人の尊厳がどれだけ体系的に踏みにじられてきたかを、統計ではなく人間的実感として訴える力を持っている。そして「生まれたときから綱渡り」という比喩は、黒人が人生のあらゆる局面においてわずかなミスすら許されない緊張状態に置かれてきた現実を象徴している。
この名言は、差別の構造を単なる過去の過ちとして片づけるのではなく、それがいかに長期的・全体的に人間を損なってきたかに目を向けるよう求めている。現代でも、制度の影に潜む差別の重圧にさらされる人々がいる中、この言葉は不正義の本質を見誤らず、声を上げ続けることの必要性を力強く訴えている。沈黙ではなく、直視と告発こそが、差別の鎖を断ち切る鍵なのである。
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