「全体主義の世界は後退を生み出す。それは精神に対して激しい暴力を振るい、人間が持つ創造し、楽しみ、崇拝しようとする衝動を挫くからである」

- 1911年2月6日~2004年6月5日
- アメリカ合衆国出身
- 俳優、政治家、第40代アメリカ合衆国大統領
俳優として成功を収めた後、カリフォルニア州知事を経て大統領に就任。小さな政府と自由市場を重視する「レーガノミクス」を推進し、冷戦期には強硬な対ソ連政策で「冷戦終結」に貢献した。保守主義の象徴的存在としてアメリカ政治に大きな影響を与えた。
英文
“The totalitarian world produces backwardness because it does such violence to the spirit, thwarting the human impulse to create, to enjoy, to worship.”
日本語訳
「全体主義の世界は後退を生み出す。それは精神に対して激しい暴力を振るい、人間が持つ創造し、楽しみ、崇拝しようとする衝動を挫くからである」
解説
この言葉は、ロナルド・レーガンが全体主義体制を痛烈に批判する際に用いた論理を明確に示している。レーガンは、自由な精神こそが文化や経済の発展を支える原動力であると考え、全体主義による抑圧は単に物理的な自由を奪うだけでなく、人間の内なる創造力や信仰心そのものを破壊すると警告した。冷戦期におけるソビエト連邦や東欧諸国の閉鎖的な体制を念頭に置いた発言である。
現代においても、レーガンの指摘は通用する。思想や表現の自由が抑圧される社会では、芸術、科学、経済活動が萎縮し、社会全体が停滞する傾向にある。自由な創造や信仰を許さない体制は、短期的な安定を維持できたとしても、人間の本来的な成長と発展を妨げ、長期的には衰退を招くという視点は、国家運営や政策形成において重要な示唆を与える。
例えば、歴史上の文化的大発展期であるルネサンスや啓蒙時代も、自由な思索と表現が許された環境から生まれた。レーガンのこの言葉は、人間の精神的自由が社会の繁栄の不可欠な要素であるという普遍的な真理を訴え、現代にも通じる警鐘となっている。
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