「私が提案する目標は非常に単純である。それは、民主主義の基盤——自由な報道、労働組合、政党、大学という仕組み——を育むことであり、人々が自らの道を選び、自らの文化を発展させ、自らの違いを平和的に解決できるようにすることである」

- 1911年2月6日~2004年6月5日
- アメリカ合衆国出身
- 俳優、政治家、第40代アメリカ合衆国大統領
俳優として成功を収めた後、カリフォルニア州知事を経て大統領に就任。小さな政府と自由市場を重視する「レーガノミクス」を推進し、冷戦期には強硬な対ソ連政策で「冷戦終結」に貢献した。保守主義の象徴的存在としてアメリカ政治に大きな影響を与えた。
英文
“The objective I propose is quite simple to state: to foster the infrastructure of democracy – the system of a free press, unions, political parties, universities – which allows a people to choose their own way to develop their own culture, to reconcile their own differences through peaceful means.”
日本語訳
「私が提案する目標は非常に単純である。それは、民主主義の基盤——自由な報道、労働組合、政党、大学という仕組み——を育むことであり、人々が自らの道を選び、自らの文化を発展させ、自らの違いを平和的に解決できるようにすることである」
解説
この言葉は、ロナルド・レーガンが冷戦時代に提唱した民主主義推進政策の核心を表している。特に東西対立の中で、軍事力による対抗だけでなく、自由な制度を広めることによって国家を内側から強くするという戦略的意図があった。民主主義を機能させるためには、単に選挙を行うだけでは不十分であり、報道の自由、労働組合の権利、政党活動の自由、そして独立した大学による知識の育成といった広範な社会基盤が不可欠であることを示している。
現代においても、レーガンの指摘は重要な示唆を与える。権威主義が広がる場面では、自由な情報流通や市民社会の強化が民主主義を支える防波堤となる。単なる制度設計以上に、社会全体に自由と多様性を保障するインフラを築くことが、平和的な発展と自己決定を可能にするのである。文化の発展や対立の平和的解消は、健全な民主主義基盤なしには成し得ないという考え方は、現代社会にも深く通用する。
例えば、新興国における民主主義支援や、国内での分断克服の試みにおいても、この理念は応用されうる。自由な機関と市民の力があってこそ、多様な意見を調整し、平和的に共存できる社会が築かれる。レーガンのこの言葉は、単なる理想論ではなく、実際的な国家運営の原則を示しているのである。
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