「アメリカは常に物事をあまりにも早く解決しようとしているように感じていた。その結果としての代償や影響、そしてその世界に生きる個人にどう作用するかを十分に考えずにだ。そして私が成長し人生を歩む中で、数値化できない曖昧な領域にますます関心を持つようになった」

ロバート・レッドフォード(画像はイメージです)
ロバート・レッドフォード(画像はイメージです)
  • 1936年8月18日~2025年9月16日(89歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 俳優、映画監督、プロデューサー、環境活動家

英文

”It felt to me like America was always wanting to resolve things too quickly, without thinking through what the costs and consequences would be and how that affects an individual living in that world. Then as I grew up and went about my life, I think I just got more and more interested in that gray area where things are not so easily quantified.”

日本語訳

「アメリカは常に物事をあまりにも早く解決しようとしているように感じていた。その結果としての代償や影響、そしてその世界に生きる個人にどう作用するかを十分に考えずにだ。そして私が成長し人生を歩む中で、数値化できない曖昧な領域にますます関心を持つようになった」

解説

この言葉は、社会の拙速な決断とその影響に対する批判を述べている。アメリカ社会は効率や即効性を重視する傾向があるが、それはしばしば長期的なコストや個人への影響を軽視する。レッドフォードはそうした傾向に疑問を抱き、やがて「gray area(曖昧な領域)」への関心を深めていった。ここでの「gray area」とは、善悪や成功・失敗といった二分法では測れない、人間や社会の複雑な現実を指している。

ロバート・レッドフォードは俳優・監督として活動する中で、単純な勧善懲悪ではなく、複雑な人間性や社会問題を描いた作品に多く関わってきた。『大統領の陰謀』や『普通の人々』といった作品は、その「曖昧さ」をテーマにしており、この発言は彼の映画観とも重なる。彼にとって映画は、明快な答えを提示するよりも、問いを投げかける手段であった。

現代においても、この視点は極めて重要である。政治やメディアは「簡単な答え」を求めがちだが、現実はそう単純ではない。気候変動、社会的不平等、国際関係など、多くの課題は「gray area」に存在する。レッドフォードの言葉は、単純化を避け、複雑さを受け入れる姿勢の大切さを私たちに思い起こさせるのである。

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