「私が作ってきた映画はすべて、私が生き、育った国についてのものだ… そして芸術家の目を向けるなら、それは批判的な目を向けることでもある。私は常に、白と黒、あるいは赤と青の間に存在するグレーな領域に関心を持ってきた。そこにこそ複雑さがあるのだ」

- 1936年8月18日~2025年9月16日(89歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 俳優、映画監督、プロデューサー、環境活動家
英文
“All of the films that I’ve made are about the country I live in and grew up in… And I think if you’re going to put an artist’s eye to it, you’re going to put a critical eye to it. I’ve always been interested in the gray area that exists between the black and white, or the red and blue, and that’s where complexity lies.”
日本語訳
「私が作ってきた映画はすべて、私が生き、育った国についてのものだ… そして芸術家の目を向けるなら、それは批判的な目を向けることでもある。私は常に、白と黒、あるいは赤と青の間に存在するグレーな領域に関心を持ってきた。そこにこそ複雑さがあるのだ」
解説
この言葉は、レッドフォードが映画制作において重視してきた批評的視点と曖昧さへの関心を示している。彼の作品は単なる娯楽ではなく、アメリカ社会の現実を映し出し、そこに潜む矛盾や課題を問いかけるものであった。芸術家として国を描く以上、肯定一辺倒ではなく、批判を含む眼差しが必要であるとする立場が明確である。
背景として、アメリカ映画はしばしば愛国的かつ明快な善悪二元論を強調する傾向があった。しかしレッドフォードは、政治や文化の対立の中で単純に割り切れない「グレーゾーン」にこそ真実や人間的複雑さがあると考えた。その姿勢は『大統領の陰謀』や『候補者ビル・マッケイ』といった作品に色濃く表れている。
現代的に見ると、この言葉は社会や人間を単純化せず、多面的に捉えることの重要性を強調している。対立が深まりやすい今日の社会において、白黒や二項対立ではなく、あえて曖昧で複雑な領域に目を向けることが理解や対話を促す。レッドフォードの言葉は、芸術と社会批評が果たすべき役割を再確認させるものである。
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