「生物が行うことで、原子が物理法則に従って働いているという観点から理解できないものは何一つない」

- 1918年5月11日~1988年2月15日(69歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 理論物理学者
英文
”There is nothing that living things do that cannot be understood from the point of view that they are made of atoms acting according to the laws of physics.”
日本語訳
「生物が行うことで、原子が物理法則に従って働いているという観点から理解できないものは何一つない」
解説
この言葉は、生命現象を物理学的基盤から説明できるという科学的世界観を表している。ファインマンは、生物の行動や機能が神秘的な特別法則に従っているのではなく、原子や分子が物理法則に従って動く結果であると強調している。つまり、生命もまた自然界の一部であり、例外ではないという視点である。
背景として、20世紀の科学は分子生物学や生化学の発展によって、遺伝や代謝などの生命現象を分子レベルで解明し始めた。DNAの構造解明やタンパク質の機能研究は、生命を「原子の組み合わせによる現象」として理解する方向を裏付けた。ファインマンの発言は、生命科学と物理学の境界を越える視野を示している。
現代においても、この言葉は重要な意義を持つ。脳科学や人工生命研究など、複雑な生命現象を探求する分野においても、最終的には物理法則に基づく説明を求める姿勢が基本となっている。ファインマンの言葉は、生命の神秘性を否定するのではなく、物理学的理解の中に生命の深遠さを見出すという普遍的な科学的態度を教えている。
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