「宇宙は非常に広大であり、その境界はよく分かっていないが、それでも宇宙に関連づけられるある種の半径を定義することは可能である」

- 1918年5月11日~1988年2月15日(69歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 理論物理学者
英文
”The universe is very large, and its boundaries are not known very well, but it is still possible to define some kind of a radius to be associated with it.”
日本語訳
「宇宙は非常に広大であり、その境界はよく分かっていないが、それでも宇宙に関連づけられるある種の半径を定義することは可能である」
解説
この言葉は、宇宙の広がりと人間の理解の限界を示している。ファインマンは、宇宙が無限であるのか有限であるのか、あるいはその境界がどのような性質を持つのかを人類が完全には知らないことを認めつつも、観測や理論の枠組みの中で「宇宙の半径」を定義する試みは可能であると述べている。これは科学的に未知と既知の間に橋を架けようとする姿勢を象徴している。
背景として、20世紀以降の宇宙論はビッグバン理論の発展に伴い、宇宙のスケールを数値化する努力を続けてきた。光の到達可能な範囲を基準とする「観測可能な宇宙の半径」や、宇宙背景放射の測定によって導かれるサイズはその代表例である。ファインマンの言葉は、このような研究が進む以前の段階でも、科学者が宇宙を定量的に捉えようとしていた文脈に位置づけられる。
現代においても、この発想は有効である。宇宙の真の広がりは依然として謎に包まれているが、人間は不完全な情報からでも意味ある指標を定義し、理解を深めていくことができる。ファインマンの言葉は、宇宙の壮大さを前にした謙虚さと同時に、未知に挑む科学の強さを伝えている。
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