「クォークにはいくつかの種類がある。実際、最初は何百もの粒子とさまざまな種類のクォークを説明するのに三種類だけで十分だった――それらはu型、d型、s型と呼ばれている」

- 1918年5月11日~1988年2月15日(69歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 理論物理学者
英文
“Quarks came in a number of varieties – in fact, at first, only three were needed to explain all the hundreds of particles and the different kinds of quarks – they are called u-type, d-type, s-type.”
日本語訳
「クォークにはいくつかの種類がある。実際、最初は何百もの粒子とさまざまな種類のクォークを説明するのに三種類だけで十分だった――それらはu型、d型、s型と呼ばれている」
解説
この言葉では、素粒子物理学におけるクォーク理論の初期の簡潔さとその革新性が語られている。1960年代、物理学者たちは膨大な種類のハドロン(中間子やバリオン)をより基本的な粒子によって説明しようと試みた。その結果、アップクォーク(u)、ダウンクォーク(d)、ストレンジクォーク(s)という三種類のクォークが導入され、当時知られていた粒子の構造が合理的に理解できるようになった。
この三種類のクォークは、それぞれ電荷、質量、フレーバー(性質)が異なり、異なる組み合わせによって多数の粒子を構成できる。このアプローチは、かつてバラバラに見えていた粒子の世界を整理し、統一する鍵となった。ファインマンはここで、複雑な現象を少数の基本的な要素で説明することの美しさに触れている。
現代物理学ではさらに三種類のクォーク(c、b、t)が追加され、全六種類が確認されているが、u、d、sの三種だけで説明できたという歴史的意義は大きい。自然の背後にある単純な構造を見抜こうとする科学の精神が、この言葉には込められている。
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