「いつの日か、大まかな課題の説明に対応できる機械を手にするかもしれない。しかしそれまでは、コンピュータに物事をさせる方法を伝える際には非常に厳密でなければならない」

- 1918年5月11日~1988年2月15日(69歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 理論物理学者
英文
”Perhaps one day we will have machines that can cope with approximate task descriptions, but in the meantime, we have to be very prissy about how we tell computers to do things.”
日本語訳
「いつの日か、大まかな課題の説明に対応できる機械を手にするかもしれない。しかしそれまでは、コンピュータに物事をさせる方法を伝える際には非常に厳密でなければならない」
解説
この言葉は、コンピュータの限界と人間の役割を鋭く指摘している。ファインマンが活動していた時代、コンピュータは今日のように柔軟ではなく、命令は曖昧さを排した厳密な指示でなければ動作しなかった。そのため、プログラマーは一語一句に注意を払って記述する必要があったのである。
背景には、1950年代から1960年代にかけての計算機科学の発展がある。当時は自然言語処理も人工知能もまだ未成熟で、「曖昧な指示を理解する機械」という発想は夢物語に近かった。ファインマンの表現は、科学者らしい現実的な認識と同時に、未来への可能性を見据える姿勢を反映している。
現代においては、AIや機械学習の進歩により、自然言語でタスクを伝えられる時代が到来している。しかしその一方で、システムの限界を理解し、どの範囲なら曖昧さを許容できるのかを見極める人間の知恵が依然として重要である。ファインマンの言葉は、技術の発展を夢見つつも、現実に即した慎重さを忘れてはならないという普遍的な教訓を与えている。
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