「いくつかのことができるコンピュータ、厳密に言えば、ある『十分な基本手続きの集合』を備えたコンピュータがあれば、それは他のどんなコンピュータでもできることを基本的に行える。このことが緩やかにではあるが、『普遍性』という偉大な原理の基礎である」

- 1918年5月11日~1988年2月15日(69歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 理論物理学者
英文
“Once you have a computer that can do a few things – strictly speaking, one that has a certain ‘sufficient set’ of basic procedures – it can do basically anything any other computer can do. This, loosely, is the basis of the great principle of ‘Universality’.”
日本語訳
「いくつかのことができるコンピュータ、厳密に言えば、ある『十分な基本手続きの集合』を備えたコンピュータがあれば、それは他のどんなコンピュータでもできることを基本的に行える。このことが緩やかにではあるが、『普遍性』という偉大な原理の基礎である」
解説
この名言は、計算理論における「チューリング完全性」や「計算の普遍性」という原理を平易に説明したものである。ファインマンは、基本的な操作さえ備えていれば、どんな複雑な操作も模倣できるという計算機の本質的な能力に注目している。これはアラン・チューリングの概念に基づくものであり、現代のあらゆるコンピュータが同じ原理のもとにあることを意味する。
この「普遍性」は、たとえばスマートフォン、スーパーコンピュータ、あるいは古いPCであっても、基本的には同じ種類の仕事ができるということを示している。速度や効率に違いはあっても、理論上は同じ処理を行うことが可能なのだ。この考え方は、コンピュータサイエンスの根幹を成すだけでなく、プログラミング言語の設計や仮想マシンの構築にも応用されている。
ファインマンは物理学者でありながら、計算機科学の基本的直感を深く理解していたことがうかがえる。彼の言う「Universality(普遍性)」は、単なる工学的な便利さを超えて、論理と思考の限界に迫る深い原理としてとらえられるべきものである。
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