「無知を認め、不確かさを認めることの中にこそ、人類が歴史の様々な時代に繰り返し経験したように閉ざされてしまわず、永久に行き詰まらない方向へと進み続ける希望がある」

リチャード・P・ファインマン(画像はイメージです)
リチャード・P・ファインマン(画像はイメージです)
  • 1918年5月11日~1988年2月15日(69歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 理論物理学者

英文

”It is in the admission of ignorance and the admission of uncertainty that there is a hope for the continuous motion of human beings in some direction that doesn’t get confined, permanently blocked, as it has so many times before in various periods in the history of man.”

日本語訳

「無知を認め、不確かさを認めることの中にこそ、人類が歴史の様々な時代に繰り返し経験したように閉ざされてしまわず、永久に行き詰まらない方向へと進み続ける希望がある」

解説

この言葉は、人間の限界を受け入れる姿勢が進歩の原動力であることを示している。ファインマンは科学者として、自分たちが何を知らないかを明確に認めることが、新しい発見や発展への第一歩になると考えた。逆に、完全な知識を得たと思い込むと、それ以上の探求は止まり、文明の発展は閉ざされる危険がある。

歴史を振り返ると、中世ヨーロッパの神学的支配や、特定の思想が唯一の真理として固定化された時代など、人類が思考の自由を失い停滞した時期が存在する。ファインマンの指摘は、そのような閉塞を繰り返さないために、常に「分からないことがある」という認識を持つ重要性を強調しているのである。

現代社会においてもこの姿勢は有効である。科学研究における未解決問題、政治や社会制度における不確実性、さらには個人の人生における未知の状況においても、不確かさを受け入れ、それでも前進する勇気が必要とされる。ファインマンの言葉は、進歩の条件は確信ではなく、謙虚な認識にあることを示す普遍的な教訓である。

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