「行き詰まったとき、私は他の人がどうやったかを書いてある本を開く。そしてページをめくりながら『ああ、あの部分を忘れていた』と言って本を閉じ、また続ける。最後に、自分でどうやるかを解決したあとで彼らの方法を読むと、自分の解決策がいかに愚かで、彼らの方法がどれほど賢く効率的であるかが分かるのだ!」

- 1918年5月11日~1988年2月15日(69歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 理論物理学者
英文
”If I get stuck, I look at a book that tells me how someone else did it. I turn the pages, and then I say, ‘Oh, I forgot that bit,’ then close the book and carry on. Finally, after you’ve figured out how to do it, you read how they did it and find out how dumb your solution is and how much more clever and efficient theirs is!”
日本語訳
「行き詰まったとき、私は他の人がどうやったかを書いてある本を開く。そしてページをめくりながら『ああ、あの部分を忘れていた』と言って本を閉じ、また続ける。最後に、自分でどうやるかを解決したあとで彼らの方法を読むと、自分の解決策がいかに愚かで、彼らの方法がどれほど賢く効率的であるかが分かるのだ!」
解説
この言葉は、学びと自己探究の姿勢を表している。ファインマンは行き詰まったときにすぐ答えを模倣するのではなく、本を参考にヒントを得てから再び自分で挑戦する。そして一度自力で解決してから他者の方法を読み比べることで、自分の考えの限界や非効率さを実感しつつ、他者の知恵の優れた点を深く理解するのである。
この背景には、ファインマンが「学ぶとは受け身ではなく能動的な行為である」と考えていた姿勢がある。単に正解を暗記するのではなく、自分の頭で考え抜き、失敗し、工夫する過程が理解を深めると信じていた。彼の学習法は、後に「ファインマン・テクニック」と呼ばれる学びの手法にも通じている。
現代においても、この言葉は有効な指針となる。インターネットで答えがすぐに見つかる時代だからこそ、まず自分で考える時間を持ち、その後に正解と比較して学ぶことが重要である。ファインマンの言葉は、学習の真の価値が「正しい答えを得ること」ではなく、「考える過程で得られる理解」にあることを教えている。
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