「私はとても内気な性格で、周囲の誰もが自分より強いと感じ、いつも居心地の悪さを覚え、自分が弱々しく見えるのではないかと常に恐れていた。みんなが野球をし、あらゆる運動をしていた」

リチャード・P・ファインマン(画像はイメージです)
リチャード・P・ファインマン(画像はイメージです)
  • 1918年5月11日~1988年2月15日(69歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 理論物理学者

英文

”I was a very shy character, always feeling uncomfortable because everybody was stronger than I, and always afraid I would look like a sissy. Everybody else played baseball; everybody else did all kinds of athletic things.”

日本語訳

「私はとても内気な性格で、周囲の誰もが自分より強いと感じ、いつも居心地の悪さを覚え、自分が弱々しく見えるのではないかと常に恐れていた。みんなが野球をし、あらゆる運動をしていた」

解説

この言葉は、ファインマンの少年期の自己像を垣間見せるものである。後に科学界で大きな業績を残した彼も、幼い頃は身体的な自信がなく、集団の中で引け目を感じていたことを率直に語っている。ここには、天才的な知性を持つ人物でも、成長過程では不安や劣等感に悩むことがあるという普遍的な人間性が表れている。

背景として、20世紀初頭のアメリカ社会では、スポーツや身体能力が少年たちの評価基準の一つとなっていた。特に野球は国民的スポーツであり、仲間と一緒にプレーすることは「普通の少年らしさ」を象徴していた。ファインマンはその流れに馴染めず、周囲との違いに苦しみながらも、自分の関心を科学や探究心に向けていったのである。

現代社会においても、この言葉は共感を呼ぶ。多様な個性が認められるようになったとはいえ、依然として「みんなと同じでなければならない」という無言の圧力は存在する。ファインマンの告白は、自分の弱さや不安を認めつつ、それを乗り越えて独自の道を歩むことの価値を示すものであり、特に若者への励ましとなる普遍的な教訓を含んでいる。

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