「私たちが実際に不確実さの中に生きていると知ったとき、それを認めるべきである。様々な問いに対する答えを知らないことを自覚することは大きな価値がある。この心構え――すなわち不確実さの心構え――は科学者にとって不可欠であり、学生がまず身につけるべき態度である」

- 1918年5月11日~1988年2月15日(69歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 理論物理学者
英文
”I think that when we know that we actually do live in uncertainty, then we ought to admit it; it is of great value to realize that we do not know the answers to different questions. This attitude of mind – this attitude of uncertainty – is vital to the scientist, and it is this attitude of mind which the student must first acquire.”
日本語訳
「私たちが実際に不確実さの中に生きていると知ったとき、それを認めるべきである。様々な問いに対する答えを知らないことを自覚することは大きな価値がある。この心構え――すなわち不確実さの心構え――は科学者にとって不可欠であり、学生がまず身につけるべき態度である」
解説
この言葉は、科学における不確実性の受容を強調している。科学は絶対的な真理を提示するものではなく、常に仮説と検証を繰り返し、誤りを修正しながら進んでいく営みである。そのため、「分からないことを認める姿勢」こそが、科学的態度の根幹をなす。
ファインマンは、不確実さを隠そうとせず、むしろそれを探究の出発点とする重要性を説いた。確定的な答えを求めすぎると、誤った結論に固執したり、科学的進歩を妨げたりする危険がある。謙虚さと柔軟さを伴った不確実性の認識が、創造的発見を可能にする。
現代社会においても、この姿勢は有効である。気候変動やAIの影響など、多くの問題は未解明の側面を持つ。そこで「分からないことを分からないと言う」勇気を持つことは、科学教育や政策決定において極めて重要である。ファインマンの言葉は、科学の本質は不確実性の中での探究にあることを明確に示している。
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