「私は自分の絵を売ることにした。しかし、人々に物理学の教授だからといって絵を買われるのは嫌だった――物理学者が絵を描けるはずがない、なんて素晴らしい考え方だ――それで私は偽名を作ったのだ」

リチャード・P・ファインマン(画像はイメージです)
リチャード・P・ファインマン(画像はイメージです)
  • 1918年5月11日~1988年2月15日(69歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 理論物理学者

英文

”I decided to sell my drawings. However, I didn’t want people to buy my drawings because the professor of physics isn’t supposed to be able to draw – isn’t that wonderful – so I made up a false name.”

日本語訳

「私は自分の絵を売ることにした。しかし、人々に物理学の教授だからといって絵を買われるのは嫌だった――物理学者が絵を描けるはずがない、なんて素晴らしい考え方だ――それで私は偽名を作ったのだ」

解説

この言葉は、ファインマンの自由奔放でユーモラスな性格をよく表している。彼は科学者としてだけでなく、芸術や音楽など多様な活動に興味を持っていた。しかし、世間が「物理学者は絵が描けない」という先入観を持っていることを皮肉り、それを逆手に取って匿名で絵を売ろうとしたのである。

背景には、ファインマンの肩書きや権威にとらわれない精神がある。彼は「教授だから」「科学者だから」という固定観念に挑戦し、個人としての純粋な表現や評価を大切にした。偽名を使うことで、自分の絵が「物理学者の珍しい趣味」ではなく、作品そのものとして評価されることを望んだのだ。

この言葉は、現代社会にも通じる。専門分野や職業に縛られず、多様な表現活動をすることは珍しくないが、それでも「〇〇なのに△△できる」という先入観は根強い。ファインマンの行動は、人間は肩書きに縛られるべきではなく、自由に自分を表現してよいという強いメッセージを伝えている。

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