「科学者が非科学的な問題に取り組むとき、その愚かさは他の誰とも変わらないと私は思う」

リチャード・P・ファインマン(画像はイメージです)
リチャード・P・ファインマン(画像はイメージです)
  • 1918年5月11日~1988年2月15日(69歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 理論物理学者

英文

”I believe that a scientist looking at nonscientific problems is just as dumb as the next guy.”

日本語訳

「科学者が非科学的な問題に取り組むとき、その愚かさは他の誰とも変わらないと私は思う」

解説

この言葉は、科学者の専門性の限界を率直に示している。ファインマンは、科学者であることがすべての問題に対して特別な洞察や正解をもたらすわけではないと認めている。科学的訓練は自然現象を理解するには有効だが、倫理、芸術、政治、日常生活といった非科学的領域では他の人と同じように迷い、誤りを犯す存在であるという自覚が表れている。

歴史的に、科学者の権威が社会問題や政治問題に過度に持ち込まれる場面は多くあった。ファインマンはそうした状況に警鐘を鳴らし、科学的思考は万能ではなく、分野ごとの文脈や専門性を尊重すべきだと強調した。彼自身も科学以外の場面ではユーモアを交えつつ「自分は他の人と同じだ」と述べ、権威主義を避ける姿勢を示した。

現代においても、この言葉は謙虚さの重要性を示している。科学者や専門家が社会的発言をする際、その言葉は大きな影響力を持つ。しかし、専門外の領域では自分も「ただの一人の人間」であるという自覚が信頼性を保つために不可欠である。ファインマンの言葉は、専門性と人間性のバランスを忘れないための教訓である。

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