「私はひとりの子どもの顔を見る。その子は大都市に住んでいる。黒人かもしれないし、白人かもしれない。メキシコ系かもしれないし、イタリア系、ポーランド系かもしれない。だが、それは重要ではない。重要なのは、その子がアメリカの子どもだということだ」

リチャード・ニクソンの名言
リチャード・ニクソンの名言
  • 1913年1月9日~1994年4月22日
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、弁護士、第37代アメリカ合衆国大統領
  • 外交政策において米中関係の正常化やソ連とのデタントを進めたが、ウォーターゲート事件により辞任した初の大統領としても知られている。冷戦期アメリカ政治の象徴的人物である。

英文

“I see the face of a child. He lives in a great city. He is black. Or he is white. He is Mexican, Italian, Polish. None of that matters. What matters, he’s an American child.”

日本語訳

「私はひとりの子どもの顔を見る。その子は大都市に住んでいる。黒人かもしれないし、白人かもしれない。メキシコ系かもしれないし、イタリア系、ポーランド系かもしれない。だが、それは重要ではない。重要なのは、その子がアメリカの子どもだということだ」

解説

この発言は、アメリカ社会における人種や民族の違いを超えて、国家としての統一と平等を訴えるニクソンのメッセージである。彼は、都市に生きる多様な出自の子どもたちを象徴として掲げ、その違いを強調するのではなく、共通の「アメリカ人」というアイデンティティを重視すべきだと主張した。これは、当時アメリカで進行していた公民権運動や都市問題への応答としても位置づけられる。

注目すべきは、「None of that matters. What matters, he’s an American child.(それは重要ではない。重要なのは、その子がアメリカの子どもだ)」という明快な対比である。この構文は、分断ではなく包摂、対立ではなく統合を求める明確な意志を表現しており、国家としての道徳的立場を明言するレトリックとして効果的に機能している。

現代においても、人種や出自による分断が再び注目される中で、この言葉は国民全体が共有する価値や未来への責任を再確認させるものである。ニクソンのこの発言は、政治的思想を超えて、社会的統合と次世代への思いやりを呼びかける普遍的な訴えとして、今なお語り継がれるべき名言である。

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