「私たちは皆、モーツァルトの主要な作品が与えてくれる慰めに頼りました。それはブランデー一杯がもたらす温かさと同じくらい現実的で具体的なものなのです」

- 1892年12月21日~1983年3月15日(90歳没)
- イギリス出身
- 作家、評論家、ジャーナリスト、フェミニスト
英文
”We all drew on the comfort which is given out by the major works of Mozart, which is as real and material as the warmth given up by a glass of brandy.”
日本語訳
「私たちは皆、モーツァルトの主要な作品が与えてくれる慰めに頼りました。それはブランデー一杯がもたらす温かさと同じくらい現実的で具体的なものなのです」
解説
この言葉は、音楽の持つ実際的な力を端的に表現している。レベッカ・ウェストは、モーツァルトの作品が与える慰めを単なる比喩的な精神作用としてではなく、身体に感じられる温かさと同等の現実的効果として描いている。芸術は抽象的な理念ではなく、人の心身に直接的に作用する生きた力だという理解がここにある。
ウェストが生きた時代は二度の大戦を経験し、人々は絶望の中で音楽や芸術に救いを求めた。モーツァルトの調和と明朗さに満ちた音楽は、混乱する時代にあって心を安定させる具体的な力を持っていたと考えられる。彼女の表現は、芸術の力を単に観念的に語るのではなく、実際に人々を支える「熱量」として捉えている点で特徴的である。
現代でもこの洞察は通用する。音楽や芸術は気分転換や慰めを超え、生活に具体的な影響を及ぼす力を持つ。ストレス社会において、芸術はブランデーの温かさと同じように、人に安堵と力を与える現実的な存在である。ウェストの言葉は、芸術を「抽象的な美」ではなく「生きるための糧」として再認識させるものである。
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