「会話というものは存在しません。それは幻想です。あるのは交差する独白だけなのです」

レベッカ・ウェスト(画像はイメージです)
レベッカ・ウェスト(画像はイメージです)
  • 1892年12月21日~1983年3月15日(90歳没)
  • イギリス出身
  • 作家、評論家、ジャーナリスト、フェミニスト

英文

”There is no such thing as conversation. It is an illusion. There are intersecting monologues, that is all.”

日本語訳

「会話というものは存在しません。それは幻想です。あるのは交差する独白だけなのです」

解説

この言葉は、人間の対話の本質に対する懐疑的な視点を示している。レベッカ・ウェストは、人と人が話すとき、実際には互いに相手の言葉を完全に理解しているのではなく、それぞれが自分の思考や欲望を語っているに過ぎないと捉えている。つまり、会話は「相互理解」というよりも、自己表現の断片が交錯する場であるという洞察である。

この考え方は、20世紀初頭の心理学や言語哲学の流れと響き合う。当時は言語が真に意味を共有できるのかという疑問が生じ、コミュニケーションにおける誤解や断絶の不可避性が議論されていた。ウェストの言葉は、会話に潜む根本的な限界を鋭く指摘するものである。

現代においても、この洞察は有効である。SNSや日常会話において、人はしばしば相手の言葉を十分に聞くよりも、自分の主張や感情を吐き出すことに終始する。ウェストの言葉は、会話を理想化せず、人間関係の中に潜む独白性とすれ違いを直視する視点を与えているのである。

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