「たとえそれが『地の塩』であっても、自分の傷に塩を擦り込まれることを好む人はいません」

- 1892年12月21日~1983年3月15日(90歳没)
- イギリス出身
- 作家、評論家、ジャーナリスト、フェミニスト
英文
”Nobody likes having salt rubbed into their wounds, even if it is the salt of the earth.”
日本語訳
「たとえそれが『地の塩』であっても、自分の傷に塩を擦り込まれることを好む人はいません」
解説
この言葉は、善意や立派な人間の行為であっても他者を傷つけることがあるという逆説を示している。「salt of the earth(地の塩)」は、聖書に由来し、社会にとって最も価値ある人々、誠実で善良な存在を意味する。しかし、そうした人物であっても、無神経に他人の弱点や痛みに触れれば、それは塩を傷口に擦り込むような苦痛を与える。つまり、善意そのものが害を及ぼす場合があるという皮肉が込められている。
20世紀の社会において、改革者や理想主義者はしばしば「人類のために」と行動したが、その過程で他者に犠牲や苦痛を強いることも少なくなかった。ウェストの言葉は、そうした現実を踏まえ、善意と無神経さの危険な結びつきを批評的に指摘している。
現代においても、この洞察は当てはまる。社会運動や人間関係において、良かれと思った言葉や行為が、相手の傷を広げることがある。ウェストの言葉は、善意を持つだけでなく、その伝え方や相手の状況への配慮が不可欠であることを示しているのである。
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