「人が互いについて語ることをあまり信用できないことは誰もが理解しています。しかし、人が自分自身について語ることはさらに信用できないということは、それほど広く理解されていないのです」

- 1892年12月21日~1983年3月15日(90歳没)
- イギリス出身
- 作家、評論家、ジャーナリスト、フェミニスト
英文
”Everyone realizes that one can believe little of what people say about each other. But it is not so widely realized that even less can one trust what people say about themselves.”
日本語訳
「人が互いについて語ることをあまり信用できないことは誰もが理解しています。しかし、人が自分自身について語ることはさらに信用できないということは、それほど広く理解されていないのです」
解説
この言葉は、人間の言葉と自己認識の不確かさを指摘している。人が他者を評するときに偏見や誇張が混じるのは当然だが、実際には人が自分自身について語るときの方がさらに信頼できないという逆説が示されている。つまり、人は自己を正直に描写するよりも、望ましい形に修正して語る傾向があるという洞察である。
20世紀初頭は心理学や精神分析が発展し、人間の無意識や自己欺瞞が注目されるようになった時代であった。ウェストの言葉は、こうした時代背景を反映し、人は無意識のうちに自分を偽り、語る言葉は真実からずれるという考えを批評的に表現している。
現代においても、この言葉は説得力を持つ。SNSや自己紹介の場面で、人はしばしば自分を理想化して表現する。そうした姿は必ずしも嘘ではないが、現実の自己像とは異なる「演出された自己」であることが多い。ウェストの言葉は、他者理解のみならず自己理解にも慎重であるべきだという教訓を与えているのである。
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