「芸術に求められるのは宇宙の複製ではありません。宇宙そのものが一つあれば十分なのです」

- 1892年12月21日~1983年3月15日(90歳没)
- イギリス出身
- 作家、評論家、ジャーナリスト、フェミニスト
英文
”A copy of the universe is not what is required of art; one of the damned things is ample.”
日本語訳
「芸術に求められるのは宇宙の複製ではありません。宇宙そのものが一つあれば十分なのです」
解説
この言葉は、芸術に対する独創性の要求と現実模倣の否定を端的に示している。レベッカ・ウェストは、芸術の役割は単なる模写や現実の再現ではなく、新しい視点や解釈を提示することであると考えていた。すでに現実という「宇宙」が存在する以上、それをそのまま複製しても価値はなく、芸術はそれを超えた意味を持たなければならないという主張である。
20世紀初頭のモダニズム芸術は、写実主義からの決別を模索し、抽象や象徴、心理的表現などを通して新しい形を追求していた。ウェストの言葉は、こうした時代背景と響き合い、芸術が「もう一つの現実」を作る必要はなく、既存の宇宙を再解釈する力こそ重要であることを強調している。
現代においても、この洞察は普遍的である。写真やデジタル技術によって現実を忠実に再現する手段が豊富にある時代において、芸術の価値はますます「再現」よりも「意味づけ」にある。ウェストの言葉は、芸術が果たすべき役割を明確にし、現実に新たな光を当てる表現こそが芸術の真髄であることを示しているのである。
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