「農場とは、無言の福音にほかならないのではないか」

ラルフ・ワルド・エマーソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1803年5月25日~1882年4月27日
  • アメリカ合衆国出身
  • 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者

英文

“What is a farm but a mute gospel?”

日本語訳

「農場とは、無言の福音にほかならないのではないか」

解説

この名言は、自然と労働の場としての農場が、言葉によらずに神聖な真理を語っているという思想を表している。エマーソンは、農場の営みの中に、生命の循環・勤勉・自然の秩序といった道徳的・霊的な教訓を見出した。「mute(無言の)」という言葉が示すように、それは声高に語られることはないが、存在そのものが深い意味と教えを内包しているという含意がある。

この思想は、彼の超越主義的自然観と深く結びついている。エマーソンにとって、自然は聖典と同等かそれ以上の教えをもたらすものであり、日々の農作業や土とのふれあいの中にこそ、人間が本来持つべき謙虚さや連帯感、節度を学ぶ機会があると考えた。つまり、農場という空間は、書物ではなく行動と観察を通して精神性を育てる場所である。

現代社会においてこの言葉は、環境意識や持続可能な暮らしへの回帰とも重なる。都市化が進み自然との接触が減る中で、農的生活や自然との共生が人間性を回復する鍵となりうることを示唆している。無言の自然から何を学び取るかは、人間の感受性と謙虚さにかかっているという教えは、今なお深い意味を持ち続けている。

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