「すべての人は消費者であり、同時に生産者であるべきだ。本性として人は費用のかかる存在であり、豊かでなければならない」

- 1803年5月25日~1882年4月27日
- アメリカ合衆国出身
- 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者
英文
“Every man is a consumer, and ought to be a producer. He is by constitution expensive, and needs to be rich.”
日本語訳
「すべての人は消費者であり、同時に生産者であるべきだ。本性として人は費用のかかる存在であり、豊かでなければならない」
解説
この名言は、人間の経済的・道徳的な責任と自立の必要性を説いている。エマーソンは、人間が生活の中で必ず何かを「消費」する存在であることを認めつつも、単に受け取るだけではなく、社会や自然に何らかの「生産」や価値の創出で応えるべきであると主張している。「ought to be a producer(生産者であるべき)」という表現には、個人が他者や社会に貢献する存在であるべきだという倫理的要請が込められている。
さらに彼は、「by constitution expensive(本性として費用がかかる)」という言葉で、人間の存在自体が物質的・精神的に多くの資源を必要とすることを認めている。それゆえにこそ、「needs to be rich(豊かでなければならない)」のであり、ここでの「rich」とは単なる金銭的富にとどまらず、知性・精神・創造力・技能といったあらゆる面での豊かさを意味している。消費する分だけ、内外の豊かさでそれに応える責任があるという観点である。
現代においてこの名言は、経済的自立、創造性、社会的貢献の重要性を問い直すものである。持続可能な社会の実現には、単なる受益者ではなく、能動的に価値を生む「生産する個人」の存在が不可欠である。エマーソンのこの言葉は、人間の尊厳は、自らの手で何かを生み出す行為にこそ宿るという根源的な真理を語っている。
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