「すべての病は一つに収束する。老いである」

ラルフ・ワルド・エマーソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1803年5月25日~1882年4月27日
  • アメリカ合衆国出身
  • 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者

英文

“All diseases run into one, old age.”

日本語訳

「すべての病は一つに収束する。老いである」

解説

この名言は、人間の病や衰えの根本的な終着点としての「老い」を簡潔に言い表している。エマーソンは、病気という現象を個別の異常ではなく、老化という避けられぬ自然の過程の一部として捉えた。すべての病が「老年」に統合されるというこの視点には、肉体的衰退に対する冷静な洞察と哲学的受容が含まれている。

この言葉は、彼の自然観と人間観の延長線上に位置する。自然は絶えず変化し、生成と消滅の循環の中で生命を育んでいる。老いもまたその一環であり、死を否定するのではなく、それを含んだ人生の全体性を受け入れるべきだという態度が読み取れる。当時の医療知識の限界の中で、彼は病と老いを切り離すことなく、同一の流れとして認識していたのである。

現代においてこの名言は、医療の進歩と寿命の延伸という背景の中でも示唆的である。いかに医療技術が進歩しても、老いという本質的プロセスは避けられない。むしろ、病気を完全に取り除くことよりも、老いを受け入れ、いかに尊厳を持って生きるかが問われている時代にあって、この言葉は自然な衰退を畏れず、理解しようとする知恵として響いてくる。

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