「喜びに満ちた家庭を保つには、親にも子どもにも多くが求められる。家庭の一人ひとりが、特別な形で互いに仕える者とならねばならない」

- 1920年5月18日~2005年4月2日(84歳没)
- ポーランド出身
- ローマ教皇、哲学者、神学者
英文
”To maintain a joyful family requires much from both the parents and the children. Each member of the family has to become, in a special way, the servant of the others.”
日本語訳
「喜びに満ちた家庭を保つには、親にも子どもにも多くが求められる。家庭の一人ひとりが、特別な形で互いに仕える者とならねばならない」
解説
この言葉は、ヨハネ・パウロ2世が家庭における相互奉仕と愛の実践を強調したものである。家庭とは自然に喜びが生まれる場所ではなく、親子が互いに努力し、自己中心性を乗り越えて仕え合う場であると説いている。特に「仕える」という言葉に、彼の持つキリスト教的人間観が色濃く表れている。
歴史的背景として、この思想は第二バチカン公会議以降に再確認された「家庭は愛の共同体である」という教会の教えと一致する。ヨハネ・パウロ2世は家族制度の変化が進む現代社会において、家庭こそが人格形成と愛の最初の学校であると捉えていた。その中で「互いに仕える」という姿勢は、単なる道徳ではなく信仰の実践でもあった。
現代においても、この名言は家族関係のあり方を見直す指針となる。自己主張や権利ばかりが強調される中で、家庭が持続するには他者への配慮と奉仕の心が不可欠であることを示している。つまりこの言葉は、愛は受け取るものではなく、与え合う行為の中でこそ育まれるという普遍的な真理を、家庭という最も身近な場において教えているのである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「教皇ヨハネ・パウロ2世」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い