「今日、教会が直面している問いは、もはや『通りを歩く人が宗教的メッセージを理解できるかどうか』ではなく、いかにしてメディアを活用し、その人に福音のメッセージを力強く届けるかである」

- 1920年5月18日~2005年4月2日(84歳没)
- ポーランド出身
- ローマ教皇、哲学者、神学者
英文
”The question confronting the Church today is not any longer whether the man in the street can grasp a religious message, but how to employ the communications media so as to let him have the full impact of the Gospel message.”
日本語訳
「今日、教会が直面している問いは、もはや『通りを歩く人が宗教的メッセージを理解できるかどうか』ではなく、いかにしてメディアを活用し、その人に福音のメッセージを力強く届けるかである」
解説
この言葉は、ヨハネ・パウロ2世が現代における福音宣教の手段と方法について語ったものである。彼は、現代人が宗教的メッセージを受け取る能力を持たないとは考えておらず、むしろその伝え方に課題があると指摘している。特に、テレビ・ラジオ・新聞、さらにはインターネットのようなコミュニケーション媒体の力をいかに活用するかが、教会にとっての最重要課題であるとした。
歴史的背景として、この発言はマスメディアの影響力が急速に拡大していた20世紀後半に出されたものである。福音がかつてのように説教壇や書物だけで届く時代ではなくなり、メディア文化が人々の価値観と感受性を大きく形成するようになった。そのため、教会が現代社会において影響力を保つためには、単に内容を持つこと以上に、それを伝える技術と工夫が求められると彼は訴えたのである。
現代においても、この名言は教会や宗教団体に限らず、真理や倫理を伝えるすべての人々にとっての核心的課題を突いている。SNSや動画コンテンツが主流となった現在、情報が氾濫する中で、いかにして人の心に届く言葉と手段を持つかが問われている。この言葉は、真実の価値は、その「届け方」によってこそ人を動かす力を持つという普遍的なメッセージを示しているのである。
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