「社会正義は暴力によって達成されることはない。暴力は、それが生み出そうとするものを殺してしまう」

教皇ヨハネ・パウロ2世(画像はイメージです)
教皇ヨハネ・パウロ2世(画像はイメージです)
  • 1920年5月18日~2005年4月2日(84歳没)
  • ポーランド出身
  • ローマ教皇、哲学者、神学者

英文

”Social justice cannot be attained by violence. Violence kills what it intends to create.”

日本語訳

「社会正義は暴力によって達成されることはない。暴力は、それが生み出そうとするものを殺してしまう」

解説

この言葉は、ヨハネ・パウロ2世が社会正義の実現における非暴力の原則を強調したものである。彼は、暴力は表面的には変革をもたらすように見えても、最終的にはその基盤を壊してしまうと指摘している。すなわち、暴力は正義や平和の根を断ち切り、空虚な結果しか残さないという厳しい真理を示している。

歴史的背景として、この発言は冷戦期の政治闘争や社会運動の中で語られたと考えられる。20世紀には革命や暴力的闘争がしばしば「社会正義」の名の下に行われたが、それらの多くは新たな抑圧や不正義を生み出した。ポーランド出身のヨハネ・パウロ2世は、共産主義体制下の弾圧を経験しつつも、非暴力的手段による自由と正義の追求を支持した。

現代においても、この名言は社会運動や国際紛争の在り方に重要な示唆を与える。たとえば抗議活動や解放運動において、暴力は目的の正当性を損ない、人々の信頼を失わせる危険がある。一方、非暴力は時間を要しても、持続可能な正義と平和を築く基盤となる。この言葉は、真の社会正義は非暴力の道によってのみ実現できるという普遍的な教訓を示しているのである。

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