「世界政治の急激な変化は、アメリカに対し、世界に向けて真に自由で民主的で正義に満ち、人道的な社会の模範となるという、より大きな責任を負わせている」

教皇ヨハネ・パウロ2世(画像はイメージです)
教皇ヨハネ・パウロ2世(画像はイメージです)
  • 1920年5月18日~2005年4月2日(84歳没)
  • ポーランド出身
  • ローマ教皇、哲学者、神学者

英文

”Radical changes in world politics leave America with a heightened responsibility to be, for the world, an example of a genuinely free, democratic, just and humane society.”

日本語訳

「世界政治の急激な変化は、アメリカに対し、世界に向けて真に自由で民主的で正義に満ち、人道的な社会の模範となるという、より大きな責任を負わせている」

解説

この言葉は、ヨハネ・パウロ2世がアメリカの国際的使命と倫理的責任を強調したものである。冷戦後の世界秩序において、アメリカは単なる大国としてではなく、自由と正義の価値を体現する模範となるべきだと指摘している。ここで語られる責任とは軍事的優位ではなく、民主主義と人間尊重を実際に示すことに根ざしている。

歴史的背景として、この発言は冷戦の終結期やその直後に結びついている。東欧の民主化やソ連崩壊により、アメリカは「唯一の超大国」として世界を導く立場に置かれた。しかし、ヨハネ・パウロ2世はその立場を単なる権力の強化と見るのではなく、人類に希望を与える倫理的責務と解釈したのである。

現代においても、この言葉は世界におけるリーダーシップの本質を問いかける。アメリカに限らず、影響力を持つ国々は他国を支配するためではなく、自由・民主・正義・人道の普遍的価値を示す模範となることで真の責任を果たすべきだという教えである。つまりこの名言は、大国の力はその倫理的模範性にこそ正当性を持つという普遍的な真理を示しているのである。

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