「消費社会が強いる競争の結果、ますます多くの人々が日曜日に働いている。」

教皇フランシスコ(画像はイメージです)
教皇フランシスコ(画像はイメージです)
  • 1936年12月17日~2025年4月21日(88歳没)
  • アルゼンチン出身
  • カトリック教会第266代ローマ教皇

英文

“More and more people work on Sundays as a consequence of the competitiveness imposed by a consumer society.”

日本語訳

「消費社会が強いる競争の結果、ますます多くの人々が日曜日に働いている。」

解説

この言葉は、消費社会と労働のあり方に対する批判を示している。フランシスコは、経済の効率や競争原理が人間生活に過度に影響を及ぼし、安息日である日曜日の休息や家族との時間が奪われている現実を憂いている。日曜日はキリスト教の伝統において神と人との関係を深める日であり、同時に人間が人間らしく生きるための休養の時間でもある。

歴史的背景として、聖書は「安息日を守る」ことを神との契約のしるしとして重視してきた。しかし近代以降の産業化、さらに現代の消費社会において、週末であっても労働が要求されることが当たり前となっている。この状況は、人間の尊厳や霊的生活を犠牲にした経済優先の構造を象徴している。

現代社会においても、この警告は切実である。例えば、大型ショッピングモールや物流の拡大により、日曜日でも多くの人が働かざるを得ない。フランシスコはこの言葉を通じて、経済の論理に支配されない人間中心の社会の必要性を訴えているのである。これは単なる宗教的規範ではなく、労働者の健康、家族の絆、共同体のバランスを守るための普遍的な提案である。

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