「私たちの教会管区には、子どもが結婚の神聖さの中で生まれなかったという理由で、未婚の母の子どもを洗礼しない司祭がいる。これこそ今日の偽善者である。教会を聖職者中心のものにし、神の民を救いから引き離す者たちである。」

- 1936年12月17日~2025年4月21日(88歳没)
- アルゼンチン出身
- カトリック教会第266代ローマ教皇
英文
“In our ecclesiastical region there are priests who don’t baptize the children of single mothers because they weren’t conceived in the sanctity of marriage. These are today’s hypocrites. Those who clericalize the church. Those who separate the people of God from salvation.”
日本語訳
「私たちの教会管区には、子どもが結婚の神聖さの中で生まれなかったという理由で、未婚の母の子どもを洗礼しない司祭がいる。これこそ今日の偽善者である。教会を聖職者中心のものにし、神の民を救いから引き離す者たちである。」
解説
この言葉は、排除と偽善に対する強烈な批判である。フランシスコは、未婚の母やその子どもを差別する司祭を「今日の偽善者」と呼び、教会を独占し、人々を救いから遠ざける態度を厳しく糾弾している。洗礼は神の恵みであり、社会的条件や出自によって拒まれるものではないという立場を明確にしている。
背景には、カトリック教会における伝統的な婚姻観と、それに基づく偏見がある。しかしフランシスコは、キリストが常に弱者や罪人に寄り添ったことを想起し、制度や形式を優先して人間を排除することこそが福音に反すると訴えている。ここでの「偽善者」という言葉には、表面的に信仰を装いながら実際には愛と慈悲を欠く態度への怒りが込められている。
現代社会においても、制度や慣習が人間の尊厳より優先される場面は多い。フランシスコのこの発言は、教会だけでなく社会全体に対し、形式ではなく人間を第一に考える姿勢を求めている。救いは誰にでも開かれており、それを遮ることは人間的にも宗教的にも許されないという強いメッセージである。
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