「銀行への投資が下がると、それは悲劇だと言われ、『どうしようか』と人々は騒ぐが、人が飢えに苦しみ、食べ物がなく、健康を害していても、それは何でもないことのように扱われる。」

教皇フランシスコ(画像はイメージです)
教皇フランシスコ(画像はイメージです)
  • 1936年12月17日~2025年4月21日(88歳没)
  • アルゼンチン出身
  • カトリック教会第266代ローマ教皇

英文

“If investments in banks fall, it is a tragedy, and people say, ‘What are we going to do?’ but if people die of hunger, have nothing to eat or suffer from poor health, that’s nothing.”

日本語訳

「銀行への投資が下がると、それは悲劇だと言われ、『どうしようか』と人々は騒ぐが、人が飢えに苦しみ、食べ物がなく、健康を害していても、それは何でもないことのように扱われる。」

解説

この言葉は、社会の価値観の歪みを強烈に批判している。フランシスコは、金融市場や投資の動向が大きな話題となる一方で、飢餓や貧困、健康問題に苦しむ人々の現実が軽視されていることを指摘している。彼は、金銭的損失を悲劇とする一方で、人命が失われても無関心でいる態度を非人間的と断じている。

背景には、現代資本主義の仕組みと、その中での倫理的な欠落がある。市場経済の動揺には世界中が注目するが、同じ規模の注目が人道的危機に向けられることは少ない。フランシスコはここで、命よりも利益を優先する社会構造そのものに疑問を突きつけているのである。

このメッセージは、現代社会に対する普遍的な警鐘でもある。例えば、株価の下落には即座に政府が介入するのに、難民危機や慢性的な飢餓には十分な対応が遅れる現実がある。フランシスコは、このような優先順位の逆転を正し、人間の尊厳を第一に据える倫理的な経済と政治の実践を求めているのである。

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