「私は教会を戦いの後の野戦病院のように見ている。重傷を負った人に高コレステロールかどうかや血糖値のことを尋ねても無意味である。まずはその傷を癒さなければならない。その後で他のことを語ることができる」

- 1936年12月17日~2025年4月21日(88歳没)
- アルゼンチン出身
- カトリック教会第266代ローマ教皇
英文
“I see the church as a field hospital after battle. It is useless to ask a seriously injured person if he has high cholesterol and about the level of his blood sugars. You have to heal his wounds. Then we can talk about everything else.”
日本語訳
「私は教会を戦いの後の野戦病院のように見ている。重傷を負った人に高コレステロールかどうかや血糖値のことを尋ねても無意味である。まずはその傷を癒さなければならない。その後で他のことを語ることができる」
解説
この言葉は、教会の使命を苦しむ人々に寄り添い癒すことに置くべきだと示している。フランシスコは、信仰生活において道徳的・教義的な細部を問いただす前に、まず人間の根源的な苦しみを癒す優先性を強調している。野戦病院という比喩は、現代社会で傷ついた人々の現実に即した、緊急かつ実践的な対応を象徴している。
歴史的に、教会はしばしば人々に対して教義や規範を重視してきた。しかしこの姿勢は時に、最も助けを必要とする人々を遠ざける結果を生んできた。フランシスコはこの点を批判的に見つめ、教会はまず憐れみと癒しを提供する場であるべきだと説いている。これは、イエスが傷ついた者や罪人に真っ先に寄り添った姿勢を思い起こさせる。
現代において、この言葉は特に示唆に富む。精神的・社会的に傷ついた人々にとって、教会が道徳的説教よりもまず癒しと受容の場であることが重要である。信頼と安心が与えられた後で初めて、倫理や教義に関する対話が可能となる。フランシスコは、憐れみを第一とする教会の姿を明確に描き出しているのである。
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