「政府の務めを担うすべての男女は、自らに二つの問いをしなければならない。『人々をよりよく仕えるために、私は彼らを愛しているか』『私は謙虚であり、最良の道を選ぶために多様な意見に耳を傾けているか』。この問いを自らに課さないなら、その統治は良いものとはならない」

- 1936年12月17日~2025年4月21日(88歳没)
- アルゼンチン出身
- カトリック教会第266代ローマ教皇
英文
“Every man, every woman who has to take up the service of government, must ask themselves two questions: ‘Do I love my people in order to serve them better? Am I humble and do I listen to everybody, to diverse opinions in order to choose the best path?’ If you don’t ask those questions, your governance will not be good.”
日本語訳
「政府の務めを担うすべての男女は、自らに二つの問いをしなければならない。『人々をよりよく仕えるために、私は彼らを愛しているか』『私は謙虚であり、最良の道を選ぶために多様な意見に耳を傾けているか』。この問いを自らに課さないなら、その統治は良いものとはならない」
解説
この言葉は、政治における奉仕と謙虚さの重要性を強調している。権力は自己利益のために用いるのではなく、国民を愛し、彼らの幸福のために奉仕する手段であるべきだと説いている。また、独断専行ではなく、多様な意見に耳を傾ける謙虚さこそが良い統治の基盤になると教皇は強調している。
背景には、政治がしばしば自己利益や権力維持に堕してしまう現実がある。歴史的にも現代においても、独裁や腐敗は国民を苦しめ、信頼を失わせてきた。教皇の言葉はそのような政治のあり方に対する警告であり、愛と謙虚さを欠いた政治は必ず悪政に陥るという普遍的な真理を示している。
この名言は、政治指導者にとどまらず、リーダーシップを担うすべての人に当てはまる。組織や共同体の指導者が自らを省みてこの問いを発するとき、権力は支配の道具ではなく奉仕の手段となる。したがってこの言葉は、現代社会においても指導者のあるべき姿を示す指針であり、愛と謙虚さを軸とした統治の必要性を強く訴えている。
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