「今日、人間は自らの存在の基盤である地球を破壊しうることを、私たちは皆見ている」

- 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
- ドイツ出身
- ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿
英文
”We all see that, today, man can destroy the foundation of his existence: his Earth.”
日本語訳
「今日、人間は自らの存在の基盤である地球を破壊しうることを、私たちは皆見ている」
解説
この言葉は、人類の活動が地球環境そのものを脅かす段階に至った現実を鋭く指摘している。かつて人間は自然に従属する存在であったが、科学技術と経済活動の発展によって、逆に自然を支配し破壊する力を持つに至った。ベネディクト16世は、この力が人間の繁栄をもたらすと同時に、存在の基盤を失わせる危険を孕んでいることを警告している。
特に「foundation of his existence」という表現は、地球環境が人間存在の根本条件であることを示す。人間は地球から切り離されて生きることはできず、大気、土壌、水といった基盤が失われれば文明も生命も存続できない。ゆえに環境破壊は単なる自然問題ではなく、人間の生存に直結する根源的課題である。
現代への応用として、この言葉は気候変動や資源乱用に対する倫理的責任を強く訴えている。地球を守ることは環境保護運動にとどまらず、人間の未来を守る行為そのものである。持続可能なエネルギー利用や国際的協力の必要性は、この警告の具体的な応答である。十字架を通して人間存在の意味を語ったベネディクト16世が、同様に自然環境の尊重を人類の存在と結びつけたことは示唆的である。
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