「今日、私たちは彼の遺骸を不死の種として大地に葬る。私たちの心は悲しみに満ちているが、同時に喜びに満ちた希望と深い感謝にも満たされている」

- 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
- ドイツ出身
- ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿
英文
”Today we bury his remains in the earth as a seed of immortality. Our hearts are full of sadness, yet at the same time of joyful hope and profound gratitude.”
日本語訳
「今日、私たちは彼の遺骸を不死の種として大地に葬る。私たちの心は悲しみに満ちているが、同時に喜びに満ちた希望と深い感謝にも満たされている」
解説
この言葉は、死と復活の神学を象徴的に表現している。遺骸を「不死の種」と呼ぶのは、キリスト教における復活信仰に基づいている。すなわち、肉体は朽ちるが、死は終わりではなく、新しい命へとつながる過程であり、墓は希望の場となる。悲しみと希望が同時に存在するという逆説は、典型的なキリスト教的死生観である。
歴史的背景として、このような表現は新約聖書、特にパウロの「種は死ななければ芽を出さない」という比喩(コリントの信徒への手紙一15章)に由来する。ベネディクト16世が述べたこの言葉も、葬儀において故人の死を悼みつつ、復活の希望を信じる共同体の立場を示している。
現代においても、この視点は慰めを与える。死別は深い悲しみを伴うが、この言葉は悲嘆の只中にあっても希望と感謝を見出す道を示している。信仰を持つ者にとって、愛する人の死は永遠の別れではなく、神のもとでの再会への期待へと変わるのである。
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