「愛する者は、愛する相手と分かち合いたいと願う。彼らは愛する者と一つになりたいと願う。そして聖書は、イエス・キリストにおいて頂点に達した神の民への大いなる愛の物語を私たちに示している」

- 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
- ドイツ出身
- ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿
英文
”Those who love desire to share with the beloved. They want to be one with the beloved, and Sacred Scripture shows us the great love story of God for his people which culminated in Jesus Christ.”
日本語訳
「愛する者は、愛する相手と分かち合いたいと願う。彼らは愛する者と一つになりたいと願う。そして聖書は、イエス・キリストにおいて頂点に達した神の民への大いなる愛の物語を私たちに示している」
解説
この言葉は、愛の本質が「分かち合い」と「一致」にあることを示している。人は真に愛するとき、自らの持つものを与え、相手と深く結ばれることを望む。ベネディクト16世は、この人間的な愛の構造を神と人間の関係に当てはめ、神の愛がいかに歴史を通じて現れてきたかを説明している。
「the great love story of God for his people」という表現は、聖書全体を愛の物語として読む神学的視点を表す。旧約における契約の歴史は神とイスラエルとの愛の関係であり、その完成が新約におけるキリストである。イエスの生涯と受難は、神の愛が最も完全に現れた瞬間であり、人類との一致の成就とされる。
現代的意義として、この言葉は信仰を抽象的な義務ではなく、愛の物語として理解することを促す。神と人間の関係は契約や律法のみに基づくのではなく、愛と親密さに根ざしている。ベネディクト16世の言葉は、信仰を「神と人との愛の物語」として生きることの大切さを強調しているのである。
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